信頼できる個人間融資の契約書は、貸し手と借り手を明確に特定し、金額を数字と文字の両方で記し、法定上限金利以下の利率を書面で定め、具体的な返済スケジュールを設け、送金前の手数料を決して求めません。
貸し手と借り手の完全な身元情報
フランスの行政情報サイトService publicは、双方の氏名、住所、生年月日、出生地を記載するよう勧めています。貸し手が名前だけ、無料メールアドレスやWhatsAppの番号だけで記されている書類は、トラブルになったときに何の保護にもなりません。
金額は数字と文字の両方で書く
フランス民法1376条は、一方だけが支払いを約束する証書について、義務を負う本人が金額を数字と文字で書くことを求めています。二つの表記が食い違う場合は、文字で書かれた金額が優先されます。
1 500ユーロを超えると書面が不可欠
民法1359条は、1 500ユーロを超える行為について書面による証拠を求めています。それ以下でも書面にしておくのが賢明です。トラブルや相続の場面で、貸したお金が贈与として扱われるのを防げるからです。
利率は必ず文書で明記する
民法は約定利率を書面で定めるよう求めており、口頭で合意しただけの利息は請求できません。利率は、フランス銀行(Banque de France)が四半期ごとに融資の種類別に公表する法定上限金利(taux d'usure)を超えてはなりません。
返済スケジュール、返済日、延滞の扱い
各回の日付と金額、支払い方法、延滞した場合の扱いを確認しましょう。明らかに過大な違約金条項は裁判官が減額でき、返済日が決まっていない貸付は、貸し手にとって返済を求めにくいものになります。
偽の契約書を見破る怪しい条項
融資実行保険、プリペイドクーポンで払う公証費用、送金前の第三国への振込を求める書類は詐欺の証拠です。詐欺的な貸し手の見分け方のページでは、ほかにも罠となる条項の例を紹介しています。
コピーされた公的ロゴと印章
偽の契約書には、フランス銀行、欧州連合、裁判所のロゴに加え、スキャンした印章や署名が入っていることがよくあります。公的機関が個人間の貸付を承認することはないため、こうした紋章があればすぐに警戒すべきです。
私署証書と公正証書の違い
多くの場合は当事者が署名する私署証書で十分です。公正証書は費用がかかりますが債務名義となり、貸し手は訴訟なしに差し押さえができます。本物の公証人は公式名簿で確認でき、公証人の活用のページで説明しています。
5 000ユーロを超える融資の税務申告
利息を除いて5 000ユーロを超える貸付は、年次の所得申告の際に2062様式(貸付申告用のフランスの税務様式)で申告します。同じ年の複数の少額貸付が合計でこの基準を超える場合も対象です。個人間融資の税金もご覧ください。
受け取った利息と貸し手の課税
貸し手が受け取る利息は金融資本所得にあたり、原則として一律源泉課税(PFU)の対象です。申告しやすいよう契約書に利息の額を明記しておくべきで、適用される扱いは税務署や税理士が確認してくれます。
署名済みの原本と送金の証拠
各当事者は、各ページに略式署名をした原本を一部ずつ保管します。口座明細が交付の証明になるよう、資金は現金ではなく銀行振込で渡すべきです。契約書に、貸付金を受け取る口座を記載しておくこともできます。
専門家に契約書を確認してもらう
弁護士、公証人、市役所や司法・法律の家(maison de justice et du droit)の無料法律相談で草案を確認してもらえます。動く金額に比べれば費用はわずかで、不均衡な条項や偽造書類の矛盾を見つけ出してくれます。
契約書を項目ごとに点検する手順
- 契約書に書かれた貸し手の身元を、対面またはビデオ通話で見た身分証と照らし合わせます。
- 金額が数字と文字の両方で書かれ、二つの表記が同じ値になっているか確認します。
- 記載された利率が、フランス銀行の公表する現行の法定上限金利を下回っているか確かめます。
- 署名する前に、返済スケジュール、延滞の違約金、繰上返済の条項を読みます。
- 資金の交付と引き換えに手数料の前払いを求める契約は、すべて断ります。
- 二部に署名して資金は振込で受け取り、基準を超える場合は2062様式を記入します。
個人間の貸付契約にかかる費用
| 項目 | 金額 | 補足 |
|---|---|---|
| 私署証書 | 無料 | 当事者が作成し署名 |
| 公正証書 | 規定報酬と諸費用(目安、見積もり次第) | 貸し手にとって債務名義になる |
| 約定利率 | 法定上限金利以下なら自由 | 上限は四半期ごとに改定 |
| 2062様式の申告 | 無料 | 5 000ユーロ超で義務 |
| 交付前に求められる手数料 | 本物の融資では存在しない | 前払い手数料詐欺の兆候 |
契約書の点検に必要な資料
- 双方の身分証
- 契約書の草案または借用書の全文
- 署名済みの返済予定表
- 交付を受ける借り手のRIB(口座証明)
- 5 000ユーロを超える場合の2062様式
- フランス銀行が公表した当該四半期の法定上限金利
- 資金の振込証明
個人間の貸付契約でよくある落とし穴
- 一度も会ったことがなく、住所も身元も確認できない貸し手からメールで届いた契約書に署名すること。
- 書面に書かれていない、あるいは口頭で決めただけの利率を受け入れること。請求できず、争いの火種になります。
- 1ユーロも受け取らないうちに、事務手数料、保険料、公証費用を支払うこと。
- 5 000ユーロを超える家族間の貸付で2062様式の申告を忘れること。税務調査の際に証拠が弱くなります。
- 領収書なしで元金を現金で渡すこと。貸付の事実を証明するのがほぼ不可能になります。
個人間の借金の契約書について読者からよく届く質問
パソコンで作成した貸付契約書は有効ですか?
有効です。義務を負う本人が金額を数字と文字で書き、双方が署名すれば、タイプした契約書でも問題ありません。信頼性のある電子署名も、民法上認められています。
必ず公証人を通さなければなりませんか?
いいえ。個人間の貸付には私署証書で十分です。公証人は債務名義と助言を提供しますが、署名前にプリペイドクーポンや海外送金で費用を請求することは決してありません。
個人間の貸付の2062申告書は誰が作成して提出しますか?
税務当局の説明書によると、原則として借り手が年次の所得申告と一緒に提出します。公証人のような仲介者が証書を作成した場合は、その仲介者が申告します。迷ったときは税務署で無料で教えてもらえます。
知らない相手から届いた契約書が偽物かどうか、どう見分けますか?
綴りの誤り、公的なロゴ、でたらめな書類番号、海外に住む貸し手、交付前の手数料は強い兆候です。専門家の意見を聞くまでは、何にも署名せず、何も支払わないでください。
