個人間の貸付契約書には、当事者、金額、期間、返済スケジュール、利率を書面で定める必要があります。5,000ユーロを超える貸付は、毎年の所得申告の際に2062様式(フランスで貸付を申告する税務書式)で税務当局に届け出ます。
フランス民法が定める金銭の貸借
金銭の貸付は、民法第1892条以下が定める消費貸借です。借り手は資金の所有者となり同額を返す義務を負います。また第1907条は、約定利率を必ず書面で定めるよう求めています。
双方が署名する契約書か借用書か
認められる形式は二つあります。貸し手と借り手がともに署名する貸付契約書と、債務者だけが署名する借用書です。民法第1376条により、金額は借り手自身が数字と文字の両方で書き入れる必要があります。
当事者の身元と資金の使い道
契約書には各当事者の氏名、生年月日、住所を記載します。車の購入やリフォームなど使い道を明記しておくと、争いになったときに役立ち、税務当局が取引の性質を判断する手がかりにもなります。
期間、返済スケジュール、初回の返済日
添付する償還表には、毎回の返済額、利息の内訳、残りの元本を記します。スケジュールがないと、貸し手は催告を経なければ返済を求められないことが多く、司法裁判所での回収が複雑になります。
自由に決められるが上限のある利率
個人同士は無利息でも有利息でも自由に対価を決められますが、フランス銀行(Banque de France)が四半期ごとに公表する高利基準金利を超えてはいけません。高利の金利を取ると、貸し手は刑事罰を受けるおそれがあります。
繰り上げ返済と債務不履行の条項
違約金なしで繰り上げ返済できる権利と、延滞時の扱い、つまり猶予期間、妥当な遅延損害金、催告に応じない場合の残額一括請求を定めておきましょう。こうした条項が、最初のつまずきで家族や友人との対立に発展するのを防ぎます。
2062様式による税務申告
フランス経済省によると、1暦年で5,000ユーロを超える貸付は、付属申告とともにオンラインまたは紙で2062様式により申告します。受け取った利息は課税対象で、義務の詳細は個人間融資の税金のページで説明しています。
確定日付や執行力を与える方法
税務署で証書を登録すると確定日付が付きます。公証人が作成した証書はさらに強力で、判決なしで直接執行できます。費用と利点は公証人を通した貸付のページで比較しています。
利用できる担保:保証、質権、抵当権
貸し手は、民法の定める文言で署名された第三者の保証、動産への質権、または公正証書が必要な抵当権を求めることができます。担保が重くなるほど、事前に法律の専門家に相談することが勧められます。
追跡できる振込と支払いの証拠
契約書だけでは、お金を渡したことの証明になりません。貸付の参照番号を記した銀行振込で資金を送り、取引明細を保管しましょう。多額の現金の手渡しは証明が難しく、マネーロンダリング対策の観点から銀行の注意を引くこともあります。
時効と未返済時の回収
民法第2224条により、個人間の債務の支払い請求は、原則として未払いの各返済日から5年で時効にかかります。配達証明付き書留で催告した後、司法裁判所に支払命令を申し立てることができます。
偽の貸し手が送ってくる偽造契約書
詐欺師は、スタンプや銀行のロゴ、偽の公証人の署名で飾った契約書を送りつけ、その後に手数料を要求します。こうした書類は、お金を払う前に個人間融資の契約書を確認する方法に沿って点検してください。
契約書を一歩ずつ整える手順
- 書き始める前に、金額、期間、利率、資金の使い道を双方で決めます。
- 借り手が金額を数字と文字で書き入れた契約書か借用書を作成します。
- 日付入りの償還表を添付し、原本2通に署名して各自1通ずつ保管します。
- 契約の参照番号を記した銀行振込で資金を送り、取引明細を残します。
- その年の金額が5,000ユーロを超える場合は、2062様式で貸付を申告します。
- 受け取った返済を共有の表で管理し、利息は金融所得として申告します。
貸付を書面化するためにかかる費用
| 項目 | ルール | 目安の費用 |
|---|---|---|
| 私署証書の契約書 | 当事者が作成、必須事項を満たせば有効 | 無料 |
| 税務署での登録 | 任意、確定日付が付く | 定額の登録税、税務署で確認 |
| 公正証書 | 執行力あり、抵当権には必須 | 規定の公証人報酬、金額に応じた目安 |
| 利率 | 自由、四半期ごとの高利基準金利以下 | 当事者が決める |
| 貸し手が受け取る利息 | 金融所得として課税 | 現行の税制による |
署名前に集めておく書類
- 貸し手と借り手の身分証明書の写し
- 2通作成した貸付契約書または借用書
- 署名と日付の入った償還表
- 送金と返済に使う双方の銀行口座証明書(RIB)
- 5,000ユーロを超える貸付の2062様式
- 最初の資金振込の証拠
- 保証人がいる場合の保証契約書
個人間の契約書でよくある失敗
- 利率を書かないこと。口頭で合意した利息は争いの種となり、貸し手は法定利率しか受け取れないおそれがあります。
- 金額をパソコンで打ち込むだけで債務者自身が書き入れず、証拠としての力が弱まること。
- 署名入りの受領書なしに多額の現金を手渡し、法廷で貸付をほとんど証明できなくなること。
- ネットで知り合った見知らぬ人から届いた契約書に署名し、その後に公証人費用や保険料を求められること。
- 5,000ユーロを超える貸付を申告せず、税務当局に取引を贈与とみなされる余地を残すこと。
個人間の金銭貸借契約についての質問
個人間の貸付契約は公証人を通す必要がありますか?
いいえ、多くの場合は私署証書で十分です。抵当権には公証人が欠かせず、貸し手が債務名義を望む場合にも役立ちます。なお、本物の公証人が融資の実行のためにメッセージで前払いの振込を求めることは決してありません。
2062様式は誰が記入するのですか?
フランス経済省によれば、貸し手と借り手のどちらでも、所得申告と同時に申告できます。念のため、双方が手続きの完了を確認し、控えを契約書と一緒に保管しておくとよいでしょう。
身内に無利息でお金を貸してもよいですか?
はい、無利息の貸付はまったく合法です。その場合は契約書に利息がないことを明記します。現実的な返済スケジュールはやはり重要です。結局返されなかった貸付は、税務当局から移転税の対象となる偽装贈与とみなされることがあるためです。
借り手が返済をやめたらどうすればよいですか?
まず書面で督促し、次に配達証明付き書留で催告します。返答がなければ、司法裁判所での支払命令の手続きで債務名義を得て、執行官に執行を任せることができます。
ネットで見つけたひな形だけで足りますか?
ひな形は良い土台になりますが、文字で書いた金額、正確な返済スケジュール、書面の利率、延滞時の条項に合わせて手直しが必要です。高額や担保付きの場合は、弁護士か公証人に見てもらうと無効のリスクを減らせます。
