フランスに住む越境通勤者は、スイスやルクセンブルクの同僚も含め、個人からお金を借りられます。条件は、書面の契約を結び、返済通貨を決め、5 000ユーロを超える場合はフランスの税務当局に借入れを申告することです。
フランスの銀行にとって扱いにくい越境通勤者
オート=サヴォワ、モゼル、ノールに住み、ジュネーヴ、ルクセンブルク、ワロン地域で給与を得る人は、外国の収入を受け取っています。とくに契約が新しい場合やスイスフランで給与が支払われる場合、一部のフランスの銀行はこれを慎重に審査します。
越境通勤者が個人間融資に引かれる理由
銀行融資の審査期間、外国の雇用主での勤続年数の条件、取得して間もないG許可証(スイスの越境通勤者許可)を理由に断られると、車の購入資金を立て替えてくれる親や同僚、隣人を頼る通勤者もいます。
融資の通貨を選ぶ:ユーロかスイスフランか
スイスフランで給与を受け取る通勤者にユーロで貸すと、フランが下がったときの為替リスクは借り手が負います。契約書には受け取る通貨、返済する通貨、必要であれば各回に適用する換算レートを明記しなければなりません。
スイス、ルクセンブルク、ドイツに住む貸し手
貸し手がフランス国外に住んでいても、フランスに住む借り手はformulaire 2062(貸付を申告するフランスの税務書式)で借入れを申告する義務があります。二つの国の法律がぶつかる可能性があるため、契約書で準拠法と管轄裁判所を定めておくと安心です。
法定上限金利は個人間にも適用される
フランスでは、個人どうしの貸し借りでもフランス銀行(Banque de France)が四半期ごとに公表する法定上限金利を超えられません。アンヌマスに住む借り手に高い利息を求めるジュネーヴの同僚は、フランスの裁判所で契約内容を見直されるおそれがあります。
借り手側と貸し手側の税務申告
フランスに住む借り手は、借入れが5 000ユーロを超えた時点で所得申告書に2062を添付します。貸し手は受け取った利息を自国で申告します。詳しいルールは個人間融資の税金のページで整理しています。
国境をまたぐ送金:きれいな記録を残す
スイスやルクセンブルクの口座から借り手のフランスの口座へのSEPA送金なら、日付入りの証拠が残ります。税関を通るときに手渡しする現金や非公式な送金は、証明を難しくし、マネーロンダリング対策の機関の注意を引くこともあります。
越境通勤者を狙う詐欺
Facebookの越境通勤者グループには、審査料と引き換えに非常に低い金利を約束する偽の「スイスの貸し手」の広告が出回ります。最後は必ず前払いを求められます。SNSに出回る偽の融資のページで、こうした筋書きを詳しく取り上げています。
二つの国に対応した契約書を作る
契約書には双方の氏名と住所、金額、通貨、期間、金利、返済スケジュールを記します。金額が大きい場合は、フランスの公証人を通すか税務署で登録して、書類に確定日付を付けておきましょう。
転職や越境通勤者の立場を失ったとき
ローザンヌでの解雇やルクセンブルクでの派遣の終了で、収入が急に減ることがあります。返済猶予の条項や違約金なしの繰上げ返済を契約書に入れておけば、家族間の貸し借りが当事者どうしの争いの種になるのを防げます。
クラウドレンディングと欧州のプラットフォーム
欧州の規則に基づきクラウドファンディング・サービス事業者として認可されたプラットフォームは、主に企業に資金を提供しています。個人の通勤者がそこで個人ローンを得られることはまれで、AMF(金融市場庁)や該当国の監督機関で認可を確認する必要があります。
国境の両側で相談できる窓口
フランスの公証人、スイスやルクセンブルクの法律に詳しい弁護士、越境通勤者の権利を守る団体が契約書を確認してくれます。税金の疑問については、署名する前にフランスの住所地を管轄する個人税務署に問い合わせてください。
国境をまたぐ個人間融資を6つのステップで整える
- 貸し手と一緒に、金額、受け取る通貨と返済する通貨、融資の全期間を決める。
- 約定金利が、その期間にフランス銀行が公表したフランスの法定上限金利を下回っているか確認する。
- 準拠法と管轄裁判所を明記した契約書または借用書を作る。
- 貸し手の口座から確認できる銀行送金で受け取り、国境での現金の受け渡しは決してしない。
- スイスの隣人から借りた元本が5 000ユーロを超えたら、フランスの所得申告書に2062を添付する。
- 外国の給与の入金日に合わせて自動振込を設定し、返済スケジュールを守る。
越境通勤者の個人間融資にかかる費用
| 項目 | 金額 | 補足 |
|---|---|---|
| 約定利息 | 自由、ただし法定上限金利以下(目安) | フランス銀行が四半期ごとに公表する上限 |
| EUR/CHFの為替差 | ケースにより異なる | 別の通貨で返す側が負担 |
| 国境をまたぐ送金手数料 | 銀行により異なる(目安) | SEPAなら低く、ユーロ圏外では高め |
| 契約書の登録 | 125ユーロ(目安) | 固定税、税務署での任意の手続き |
| 偽の貸し手が求める手数料 | 全額損失 | 正当な貸し手は振込前に手数料を求めない |
署名の前にそろえておく書類
- 身分証明書と、スイスの場合はG許可証のコピー
- 雇用契約書と直近3か月分の外国の給与明細
- 通貨と準拠法を明記した契約書
- フランスの口座情報(RIB)と貸し手の口座情報
- 借入れが5 000ユーロを超える場合のformulaire 2062
- 送金の証拠と署名済みの返済スケジュール表
越境通勤者の失敗と警戒すべきサイン
- 国境検問所の駐車場で現金を受け取り、契約書も裁判で使える受領の証拠も残らない。
- 越境通勤者のFacebookグループで知り合った貸し手に、1ユーロも受け取らないうちから保険料や両替手数料を払ってしまう。
- 返済通貨を決めずにおき、スイスフランが動いた後で予想以上に重い借金に気づく。
- 貸し手が外国に住んでいるからと2062を出さない。申告の義務はフランスに住む借り手にある。
- 見知らぬ相手にG許可証とパスポートのコピーを送り、なりすまし被害の入り口をつくってしまう。
越境通勤者が抱く個人間融資の疑問
フランスに住んでいても、スイスの同僚からお金を借りられますか?
はい、個人どうしの一度限りの貸し借りは可能です。通貨と準拠法を明記した契約書に署名し、振込で受け取り、5 000ユーロを超えるならformulaire 2062で申告してください。不安があれば公証人か弁護士に内容を確認してもらいましょう。
返済はスイスフランとユーロのどちらですべきですか?
どちらも可能で、契約書の定めによります。給与と同じ通貨で返せば、借り手の為替リスクは小さくなります。ユーロを選ぶなら、適用する換算レートやレートの参照元を書いておくのが賢明です。
貸し手がルクセンブルクに住んでいてもフランスの法定上限金利は適用されますか?
借り手がフランスに住み、契約がフランス法に従う場合、フランスの裁判所は法定上限金利を適用できます。ただし準拠法の問題が生じることもあるため、契約書の書き方に応じたルールは弁護士か公証人に確認してください。
振込の前に手数料を求める貸し手がいますが、普通のことですか?
普通ではありません。振込前に、とくにクーポン、暗号資産、送金サービスで求められる手数料は、典型的な詐欺のサインです。やり取りを打ち切ってメッセージを保管し、PHAROSか警察、憲兵隊にその広告を通報してください。
