フランスに移住して間もない人も、家族や同じコミュニティの人からお金を借りることはできます。ただし書面を必ず作り、銀行口座を通してやり取りし、5 000 €を超える場合は申告し、手数料を求める貸し手はきっぱり断る必要があります。
新しく来た移民がぶつかる銀行の壁
短期の滞在許可証、フランスでの取引履歴のなさ、不安定な最初の雇用契約などが理由で、銀行に融資を断られることはよくあります。そのため多くの新規移住者は、家族や同郷の人、コミュニティの団体を頼ることになります。
口座開設の権利(droit au compte)を使う
口座開設を断られた人は、droit au compte(口座開設の権利)に基づいてBanque de Franceに申し立てができます。Banque de Franceが基本サービス付きの口座を開く銀行を指定してくれ、この口座は記録の残る借り入れを受け取るうえで欠かせません。
トンチンと共同体の積立金という古い慣習
カメルーン、コートジボワール、セネガルのディアスポラで行われるトンチンでは、メンバーが順番に積立金をまとめて受け取ります。信頼で成り立つ仕組みなので、メンバー、金額、受け取り順を書いた一覧を作っておけば揉め事が減ります。
ハワラのような非公式送金の危うさ
認可のない仲介者を通じて母国から資金を取り寄せると、救済手段もないままお金を失うおそれがあり、決済サービスの規則違反になることもあります。銀行振込や認可を受けた送金サービスなら、後で使える記録が残ります。
二つの言語で理解できる書面にする
よく分からない言語で書かれた借用書に署名するのは危険です。バイリンガルの知人、外国人支援団体、公証人に確認してもらった翻訳を添付すれば、金額、返済スケジュール、遅れた場合にどうなるかをきちんと理解できます。
同郷の人同士でも申告は必要
フランスの税のルールは国籍で区別しないため、5 000 €を超える借り入れは所得申告に添付するformulaire 2062(フランスの貸借申告書)で申告します。ほかの手続きは家族や友人との貸し借りの解説で確認できます。
外国人を狙う融資詐欺
詐欺師はWhatsAppやFacebookのグループで同じ出身の親切な貸し手を装い、その後で事務手数料や公証人費用、送金手数料を要求します。受け取った書類がどう悪用されるかは、偽の融資にからむなりすましの解説が詳しく説明しています。
滞在許可証を見知らぬ人に渡さない
パスポート、県庁の受理証、滞在許可証の写真が一枚あれば、被害者の名義で口座を開いたりローンを組んだりできてしまいます。こうした書類は、相手の身元を自分で確かめた銀行や機関にだけ送りましょう。
管理された選択肢としてのマイクロクレジット
Adieのような団体は銀行融資から遠い人の起業資金を支援し、Points conseil budget(家計相談窓口)は伴走型の個人向けマイクロクレジットを紹介しています。いずれも支援と明確な契約を伴い、匿名の誘いとは正反対の仕組みです。
収入が不安定でも返済を続ける工夫
試用期間中や派遣で働く新規移住者は、思ったより収入が少ないこともあります。月々の返済額を控えめにし、支払い猶予の可能性を書面に入れておき、困ったら黙って支払いを止めずにすぐ貸し手に伝えるほうが賢明です。
法定上限金利は外国人の借り手も守る
コミュニティの貸し手でも、Banque de Franceが公表するtaux d'usure(法定上限金利)を超える利息は課せません。母国の慣習だとして示された法外な利息は、借り手が訴えればフランスの裁判官が減額することがあります。
詐欺の届け出と相談先
詐欺に遭ったら、フランス語が完璧でなくても警察署や憲兵隊に被害届を出せますし、詐欺広告はPHAROSに通報できます。法律アクセス支援団体やmaisons de justice et du droit(司法・法律相談所)が無料で手助けしてくれます。
フランス到着後に身近な人から借りる手順
- 銀行口座を開く。必要なら口座開設の権利に基づいてBanque de Franceに申し立てる。
- 貸し手と金額、期間、法定上限金利を下回る利息を付けるかどうかを話し合う。
- 借用書を作り、どちらかがフランス語を読みにくい場合は翻訳を添付する。
- お金は自分名義の口座への振込で受け取り、その明細を保管する。
- 借りた額が5 000 €を超えるときは、所得申告と一緒にformulaire 2062を提出する。
- 毎月振込で返済し、最後の支払いが終わるまで証拠を保管しておく。
新規移住者の借り入れにかかる費用とリスク
| 項目 | 金額 | 押さえておく点 |
|---|---|---|
| 身近な人との利息 | 多くは無利息、付ける場合は法定上限金利以下(目安) | 上限金利は四半期ごとに決定 |
| 任意の契約登録 | 125 €(目安) | 契約に確定日付が付く |
| 翻訳費用 | 場合による | 重要な契約なら役立つ |
| 海外からの送金 | 業者による(目安) | 認可された送金サービスを比較 |
| 偽の貸し手が求める手数料 | 返金のない損失 | 確実な詐欺のサイン |
移民の個人間融資で役立つ書類
- 有効なパスポートまたは滞在許可証
- フランス国内の住所証明
- 雇用契約書または収入証明
- 本人名義口座のRIB(口座情報証明書)
- 借用書とその翻訳
- 5 000 €超ならformulaire 2062
- 送金と返済を証明する取引明細
移民がはまりやすい落とし穴
- 同じ言葉を話す、同じ町の出身だと言うだけで、身元を確かめずに貸し手を信用してしまう。
- 約束のお金を受け取る前に、送金クーポン、プリペイドカード、暗号資産で公証人費用や事務手数料を払ってしまう。
- WhatsAppのやり取りで、見知らぬ相手に滞在許可証とRIBの写真を送ってしまう。
- 書面なしに現金で手渡しの借り入れをし、後ですでに返した分を証明できなくなる。
- メンバーの一覧も、途中で抜ける人が出たときのルールもないトンチンに加わってしまう。
フランスに来たばかりの人の借り入れの疑問
一時滞在許可証でも個人からお金を借りられますか?
はい、正規に滞在する外国人が身近な人から借りることを禁じる規則はありません。書面、銀行口座での受け渡し、5 000 €を超える場合のformulaire 2062での申告が必要です。借り入れの期間は予定している滞在期間に合わせるのが望ましいでしょう。
ディアスポラのトンチンに参加するのはお金を借りることになりますか?
トンチンではメンバーが順番に積立金を受け取ります。早く受け取った人は、実質的に将来の掛け金をほかのメンバーに負っていることになり、借り入れに近い状態です。ルールを書面にし、記録の残る送金を選べば、メンバー間のトラブルを減らせます。
同じコミュニティの貸し手にとても高い利息を求められたら?
同郷の人同士でも、フランスでは法定上限金利を超える利息は認められません。契約書と支払いの証拠を保管し、司法・法律相談所、外国人支援団体、弁護士に相談してください。
銀行取引の履歴がなくても使える管理された資金はどこにありますか?
団体やPoints conseil budgetを通じた伴走型マイクロクレジットは、通常の融資から外れた人のための制度です。起業ならAdieが銀行履歴のない人の申請も検討します。こうした機関がプリペイドカードで手数料を求めることはありません。
